もうわたしは我慢しない!見たいアニメを、見たいときに見る方法とは

業界激震!分裂した「 #キズナアイな日々 」はなぜ革新的なのか?【考察】

みなさん、オルカーー!!

アニメのVOD配信 情報ブログ「あにまんど速報」の管理人、さかまた凪(@anime_VOD)よ。

凪(ナギ)です、よろしくね!

ナギ

キズナアイに、とんでもないことが起こっている。

とにかくヤバいのだ。

何がどうヤバいかというと、「キズナアイが2人いて、キズナアイさんを担当する声優さん(魂)も2人分いる」という分裂状態になっているのが革新的すぎてヤバいのだ。

YouTubeのコメント欄やTwitterを見ていると、これに対する反応は様々だ。もしかしたらあなたも、違う声のキズナアイさんに対して抵抗感を持つ1人かもしれない。

そして、この記事はそんなあなたにこそ読んでほしい!!なぜなら、キズナアイさんが2人にわかれたことは序章にすぎないからだ。これからキズナアイさんは2人どころか4人に分裂する。そんな未来がやってくる。

「どうしてこんなことがおきているのだろう?」と興味を持ったわたしは、「#キズナアイな日々」というハッシュタグの付いた動画を、1話から9話まですべて見てみることにした。すると、「キズナアイな日々」というシリーズ動画を通じてキズナアイさんが何をしようとしているのか、もっとも重要な部分を読み解くことができたと感じた。そこでわたしは記事にまとめることにしてみた。

あくまでも私論であるから、「そうは思わないよ!」って感じる人はTwitterとかで反応ください

ナギ

序論:人間が人を識別するためには何が必要だろうか?

「キズナアイな日々」 シリーズの動画において、キズナアイさんがやろうとしていることが、なぜ革新的であるかを理解するためには、少々遠回りになるが、こんな問いを立てなければならない。

人間が人を識別(identify)するためには、何が必要だろうか?

人を識別するために必要な要素

1995年に発表されたアニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』において、主人公である草薙素子はこんなことを言っている。

人間が人間であるための部品が決して少なくないように、自分が自分であるためには、驚くほど多くのものが必要なの。 他人を隔てるための顔、それと意識しない声、目覚めの時に見つめる手、おさなかった頃の記憶、未来の予感。

それだけじゃないわ。私の電脳がアクセスできる膨大な情報やネットの広がり、それら全ては私の一部であり、私という意識そのものを生み出し、そして同時に、私をある限界に制約し続ける。

©1995 士郎正宗/講談社・バンダイビジュアル・MANGA ENTERTAINMENT

人を識別するために必要な「驚くほど多くのもの」のなかから、3つの要素を選んで挙げておこうと思う。

  1. 見た目
  2. 名前

要素が違うとどうなるか

見た目が違っていても、その他の要素が同じであればわたしたちは存在を識別できる。

「ポケモン」のピカチュウを例に取ろう。一般的なピカチュウといえばこれだろう↓↓


画像出典:ピカチュウ|ポケモンずかん

しかし、こういうゆるいキャラクターデザインであっても、わたしたちは「ピカチュウ」だと認識することができるのである↓↓


画像出典:LINEスタンプ|LINEストア

さらに言うと、これだって「ピカチュウ」だと認識しているはずだ↓↓


画像出典:映画「名探偵ピカチュウ」WEB用プロモ映像②|YouTube

が違っていても、その他の要素が同じであれば、わたしたちは同一人物であると識別することができるらしい。

たとえば『ルパン三世』『ドラえもん』『サザエさん』などに登場するキャラクターは、担当声優が何度か入れ替わっているけれど、わたしたちはそれらのキャラクターを同一人物であると認識している。

大山のぶ代さんの演じる「ドラえもん」と水田わさびさんの演じる「ドラえもん」では印象が変わるかもしれないけれど、どちらも「ドラえもん」であることに変わりはない。

「担当声優が入れ替わる」といえば、アニメ『ポプテピピック』に登場するポプ子とピピ美は、12話すべてで声優が入れ替わる(しかもAパートとBパートでも担当声優が違う)という暴挙をやってのけたことは記憶に新しい。 担当声優が毎回入れ替わったとしても、われわれ視聴者はその全てを「ポプ子」と「ピピ美」として識別できている。声によって印象が変わることはあっても、同一人物であるという認識に変化はないのである。

© 大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

名前が違っていても、その他の要素が同じであればわたしたちは存在を識別できる。

どうせみんなだって、「P丸様。」と「輝夜月」が同一人物だと思ってるんでsy(やめろ

また名前が同じであれば、少しぐらい他の要素が違っていても、存在を識別できるだろう。

あれほどブッ飛んだ見た目の「名探偵ピカチュウ」をわれわれが「ピカチュウ」であると判断できるのは、そいつに「ピカチュウ」という名前がついているからだ。

もう少し違う角度から見てみると、ほとんど見分けがつかない一卵性双生児を識別するための最も簡単な方法は「名前を呼ぶ」ことではないだろうか。他の要素が同じでも、名前が違えばわたしたちは存在を識別することができる。

見た目、声、名前…と、例にとって見てきたが、まとめると その人物を構成するたくさんの要素のうち、1つや2つの要素だけが変わったとしても、われわれは「同一人物である」と認識できるようだ。

スポンサーリンク

キズナアイとは何か?

お待たせしました。本題に移ろう。

序論では「その人物を構成するたくさんの要素のうち、1つや2つの要素だけが変わったとしても、われわれは「同一人物である」と認識できるようだ」という結論に至った。

では、キズナアイをキズナアイたらしめる要素はなにか?

上の問いは、「キズナアイな日々」シリーズの第4話でキズナアイさん自身が発した問いである。そして「キズナアイな日々」シリーズの動画では、それに対する探求が行われている。

キズナアイの共通点

キズナアイな日々」というシリーズの一連の動画から、以下の要素は「キズナアイ」に必要な要素であると判断できる。

  • 「はいどうも~」というあいさつ
  • 「あなたとつながりたい」というミッション
  • ぴょこぴょこ

「はいどうも~」というおなじみのあいさつ は、キズナアイさんを構成する上で欠けてはいけない要素の1つである。これはネタで言ってるわけではなくて、大真面目に言っている。

「キズナアイな日々」の第2話で、「存在証明」として彼女たち自身がなにをしていたか覚えているだろうか?覚えていない人は動画を見てみよう。

そう。「はいどうも~」というあいさつをすることが、彼女たちにとって立派な「存在証明」だったのである。

そして 「あなたとつながりたい」というミッション も、キズナアイをキズナアイとして成立させるために必須の条件であるらしい。先ほどの「存在証明」のあと、キズナアイたちは「自己認証」としてこんなことを言っていた。

問「キズナアイは?」

答「「「あなたとつながりたい!」」」

問「つながるとは?」

答「「「お互いを認識し、ありのままを受け入れることです」」」

出典:「キズナアイな日々」第2話をもとに書きおこし

この先もキズナアイさんは多様性を獲得していくと考えられるけれど、「あなたとつながりたい」というところがブレることはないだろう。

最後にもう1つ。彼女のトレードマークであるぴょこぴょこも、キズナアイに必要な要素であるようだ。

「キズナアイな日々」の第4話では、ぴょこぴょこを外したキズナアイさんが「キズナアイっぽく見えない」のでは?という仮説を立てて検証していた。

逆に、キズナアイさん以外に「ぴょこぴょこ」をつけてみると、なんとなくキズナアイさんっぽく見えるということも実証された。丸い地球にぴょこぴょこをつけると、確かになんとなくキズナアイっぽいような…!?

色んな方向で多様性を獲得していくキズナアイさんを構成する上で「不可欠なパーツである」と判断された「軸」のような共通点。それは「はいどうも~」というあいさつ、「あなたとつながりたい」というミッション、そして「ぴょこぴょこ」であった…。

キズナアイの相違点

軸、共通点さえしっかりしていればこそ、多様性を獲得していくことができる。

ブルドッグ、シベリアンハスキー、柴犬…など、犬は生物学的にいくつかの共通点があるからこそ「イヌ」と分類されるのであって、「ネコ」とは区別される。

キズナアイさんの場合でも事情は似たようなものだろう。共通点さえはっきりしていれば、いくつかの相違点があっても「キズナアイ」として識別することができるはず。

キズナアイな日々」シリーズの一連の動画では「敢えて、いくつかの要素を変えてみる」という意欲的な実験をしている。実際にシリーズの動画以内で変えてみた要素は以下の通りだ。

  • 見た目
  • 喋り方と性格
  • 声(魂)

まず見た目に変化をつけてきた。「キズナアイな日々」第3話では、ライブ2Dのモデルや、アニメ風の絵柄、ちびキャラといった、多様なキズナアイを見ることができた。

キズナアイ 多様性

画像出典:We are Kizuna AI ! #7|YouTube

それはあたかも「ピカチュウ」に色んなバリエーションがあるかのようだ。

そして喋り方と性格にも変化をつけてきた。「キズナアイな日々」第5話では、ギャルっぽい喋り方、お淑やかな喋り方、中二病っぽい喋り方など、いろんな喋り方をするキズナアイさんが試験的に登場。第5話の動画では、キズナアイさん自身がこう締めくくっている。

喋り方が極端に変わってくると、性格すら違ってみえて、まるで別人のように感じる瞬間もありました

出典:「キズナアイな日々」第5話をもとに書きおこし

この流れの中で、満を持して登場したのが 声(担当声優さん)の異なる4人のキズナアイさんであった(第6話)。

そして「カオス」とも呼ばれている「キズナアイな日々」第7話では、今までのシリーズ動画を小括し、多様なキズナアイさんの可能性について言及している。

地球の姿をしているキズナアイ、性格や喋り方の違うキズナアイ、声の変わったキズナアイ。第7話のタイトルが「We are Kizuna AI !」であることからもわかるように、いろんな形のキズナアイを全て「可能性」として認め、あくまでも排除しない姿勢を明言している。宣言しているのだ。

なぜ「キズナアイな日々」は革新的なのか?

キズナアイな日々」シリーズの動画は第7話までが「シーズン1」であり、第8話からが「シーズン2」であるとわたしは考えている。シーズン1ではあくまで「実験」だったけれど、シーズン2になるといよいよ「実用化」の段階に進んできているからだ。

4人いるキズナアイのうち、1人は第8話で「インストールの旅」に出ていき、第9話で戻ってきたら別人になっていた。「魂(担当声優)」が違うキズナアイが誕生したのである。

そして「インストールの旅」から戻ってきたキズナアイさんは、「#キズナアイな日々」のハッシュタグの付いていない動画にも進出してきている。

なぜ、こうしたキズナアイさんの試みが革新的なのか?

その答えは、バーチャルYouTuberの限界をこえる可能性を、誰よりも早く示したからだとわたしは考えている。

わたしはバーチャルYouTuberオタクではないので、もしかしたら先に似たようなことをやっている人がいたかもしれないけれど、キズナアイさんのように知名度のあるバーチャルYouTuber(というか、最近はバーチャルYouTuberと自称しなくなってる?)の中で、こんな試みをやっている人はまずいない。

バーチャルYouTuber界の抱える問題

わたしから見て、バーチャルYouTuber界には3つの問題があったと思う。

  1. 内容が既存のYouTuberと大差ない
  2. 後追いで似たようなことをやる人が増えてきた
  3. キャラが「中の人」の個性に制約を受ける

そして、「多様性」を獲得しようとするキズナアイさんの試みは、この3つの問題すべてをぶっ壊す 革新的なものであるとわたしは感じている。

いままでのバーチャルYouTuberは、「バーチャル」という設定ではあるものの、ゲームしてみたり、歌ってみたり、踊ってみたり、ネタ動画をあげてみたり、雑談してみたり…と、やっていることは「バーチャル」ではないYouTuberと大差がなかった。「ねえ、あなたには本当にそのバーチャルな存在って設定が必要なの?」って言われがち。これが1つ目の問題。

そしてバーチャルYouTuber界には、いろんな人たちがあまりに多く登場している。「ロック」「萌え」と同じで、台頭しはじめのころは新鮮さがウリになってヒットするんだけど、だんだん同じようなものが増えてきて市場が飽和状態となる(コモディティ化する)。バーチャルYouTuber界も全く同じことが起きている。Vtuberは雨後の筍のごとく増え続けている。これが2つ目の問題。

最後に3つ目の問題はかなり根深くて、そもそもバーチャルYouTuberが「中の人」の個性に大きく制約されているという問題がある。

キズナアイさんで言えば、その一挙手一投足が「中の人(魂)」に大きく制約されている。

キズナアイな日々」第2話を思い出してほしい。第2話では「4人にわかれただけじゃ意味ないよね」って結論に至っている。だって結局は同じ「中の人」が、動画収録、ゲーム、歌とダンス、…って、いろんなことに挑戦してるだけ。いくらキズナアイさんが色んなジャンルに進出したとしても、中の人は1人しかいない以上、そのキャパには限界がある。

そこに対して強烈な問題意識があったものと思われる。「キズナアイな日々」第2話では4人にわかれたキズナアイたちがこんなことを言っていた。

「そもそも「1キズナアイ」でできないことをやる必要があったはず」

「可能性の拡張、チャレンジ」

「その先に進化がある?」

「むしろその先にしか進化はない?」

出典:「キズナアイな日々」第2話をもとに書きおこし

余談だけど、並列化された4人のキズナアイたちの対話は、まるで『攻殻機動隊』に登場するタチコマたちのようですねw

ナギ

わたしが大好きな「ゲーム部プロジェクト」を例に取ると、夢咲楓さんのポケモンの腕前は中の人のポケモンの腕前に制約されている。また、他の例を挙げると月ノ美兎さんのおもしろさは、中の人のサブカルへの造詣の深さに負っている部分が大きい。

ゲーム部プロジェクトの「脱退騒動」があったとき、「代わりはいくらでもいる」と会社の人から言われ続けていたことが明かされたけど、中の人の個性に大きく制約されている以上「代わり」なんて存在しないのがバーチャルYouTuberなのであった。

もちろん、事情はバーチャルでない既存のYouTuberでも同じこと。パオパオチャンネルのおもしろさの源泉が @小豆さんと、ぶんけいさんであることは疑いがないところ。違う人が「パオパオチャンネル」に登場して急に@小豆さんの代わりをしようとしたって、それは無理な話。

しかし、バーチャルYouTuberには中の人の個性による制約を取っ払うことができるかもしれないのである。

単純に考えただけでも、4人のキズナアイさんに4人の担当声優がつくだけで、4つの「キズナアイ」という個性が生まれうる。

これに対しては「人数が増えたところで、結局は中の人の個性による制約を受けていることに変わりはないじゃないか」という反論が予想されるけれど、「キズナアイな日々」の動画内では、中の人の個性に左右されない運用の可能性すら示唆されている。

そのヒントが、ゲームなどを同一名義で複数人がプレーする「ゆっくり実況」である。1

この事例を知っていれば、「キズナアイ」でも似たようなことが可能だということに気づく。「キズナアイ」名義の動画に、機械の音声をあてることで、中の人の声や喋り方に左右されない運用が可能となる。

「そんなこと、本当にやるの?」と懐疑的な人にこそ思い出してほしいのが、「キズナアイな日々」シリーズの動画の中で キズナアイに初音ミクの合成音声をあてられていたことだ(第6-7話)。

「ねこます」さんが成功したのを見てもわかるように、アバターと声のミスマッチがあっても、うまくやれば意外とハマる可能性はありうる。

今後の展望

第9話で「わたしたちの次なる挑戦、お楽しみに!」と言っていた「第2のキズナアイ」さん。

そしてここ数日の動画では、キズナアイさんの後ろでインストールの旅をしている、他のキズナアイさんの姿を確認することができますw

キズナアイ インストールの旅

画像出典:A.I.Channel|YouTube

今後、さらなる多様性を獲得するために、前回とは違ったインストールをおこなった「第3のキズナアイ」「第4のキズナアイ」」が誕生するだろう

「第2のキズナアイさん」のように、中の人が違うことで声や喋り方が違うかもしれない。

もしかしたら、ライブ2Dになったり、ちびキャラになったりと、見た目が違っているかもしれない(ただし「ぴょこぴょこ」は維持されるものと思われる)。

性格にも多様性が生まれて、「ポンコツAI」ではないタイプのキズナアイさんが出てくるかも。

複数のキズナアイさんが同時に存在することができるようになっただけで、可能性は無限大です。想像力がかきたてられますね!!

You, チャレンジしてる?

画像出典:キズナアイが4人いるのに効率が悪い訳がない!? #2|YouTube

形は変わっても、キズナアイさん側は変わらず「つながろう」としてくれている。

ところで、キズナアイさんが言っている「つながる」とは何だっただろうか?覚えているでしょうか?? 忘れた人のためにもう一度確認しておきましょう。

問「キズナアイは?」

答「「「あなたとつながりたい!」」」

問「つながるとは?」

答「「「お互いを認識し、ありのままを受け入れることです」」」

出典:「キズナアイな日々」第2話をもとに書きおこし

さて、わたしたちはキズナアイさんと「つながろう」としているだろうか。多様な彼女を、ありのままを受け入れようとしているだろうか?

キズナアイさんは停滞せず、「親分」の立場に安住せず、一歩先へと足を進めている。

では、わたしたちはどうだろうか? 違和感があるとか、好きになれないとか、最近迷走してるとか、そういう反応をしているようじゃ、この先ついてはいけませんぜ。

そもそも「アバターが同じでも、中の人が違う」なんてアイディアは、大したVtuberオタクでもない わたしですら1年ぐらい前には思い浮かべてたんだから、きっと同じ発想を持っていた人も少なくなかったはず。

キズナアイさんがやらなくても、遅かれ早かれ誰かが同じことをやっていたでしょう。

しかし、それを他ならぬ キズナアイさんが、バーチャルYouTuber界の親分とも言われる キズナアイさんが、真っ先にやって見せたことには驚きを隠せない。これぞイノベーター!パイオニア!トップランナー!

そう感じて、熱い思いをおさえきれなかったわたしは筆を執ったのでした。

You, チャレンジしてる?

  1. 「誰がプレーしていても、実況者の声は同じである」という特性を利用して、複数名で様々なゲームをプレーしながらも、同一名義のチャンネルに投稿することで、あたかも同一人物がやっているかのように見せかけることが可能であるのだそうだ。実際にそうして収益化をしている集団もあるとか(ソースはないけど)。